女性により微妙な違いはありますが、毎月毎月定期的にくる生理。
生命を生み出すために大切なことではあるけれど、心体にさまざまな影響を与え、正直めんどくさく、いやになることも多いはず。
その中でも、特に肌荒れがあると、辛く、悲しいものになり心は憂鬱になりますよね。
なぜかって、毎日鏡を見るたびに、ニキビやシミなどの肌荒れがあり、「こんな顔で人と会いたくないな」「せっかく楽しみにしていたイベントがあったのに」となりますよね。
今回、生理周期に合わせた肌荒れ対策をお伝えするために、
・そもそも肌荒れとは何か
・生理中の肌荒れはなぜ起きるのか
・生理周期に応じたホルモンの変化
・生理周期に合わせた肌荒れ対策について
お話させていただきます。
そもそも肌荒れとは何か
ここでは、
・正常な肌状態から~肌荒れとは何かということ
・肌荒れの原因には何があるのかということ
をご説明します。
正常な肌状態から~肌荒れとは何か
そもそも肌荒れとは何かということですが、肌荒れを説明する前に、人の肌はどのようにできているのかご存じですか。
異常な状態を知る前に、正常な状態を知ることの方が大切だと思うので、正常な肌についてご説明します。
まず、人の肌は、外側から表皮、真皮、皮下組織という三層に分かれています。
表皮とは、一番外側にある肌のことで、つまりは目に見え、手で触れることができる膜のことです。
この表皮には、ほこりや紫外線などの外界からの刺激を防ぐ働きや、肌に適した水分量の調整を行う働きがあります。
ほこりや紫外線が肌にあたると、肌がかゆくなったり、日に焼けるなどの症状が出ます。
また、肌に適した水分調整ができないと、乾燥したり、逆に油分の多い肌になってしまいます。
両方が正常に働いている状態を、‘’バリア機能が正常な状態‘’と言います。
しかし、肌荒れを起こすということは、この正常な状態が崩れてしまっているのです。
崩れてしまった状態が‘’肌荒れ‘’です。
そこで、最初に戻り、肌荒れとは何かということですが、症状として乾燥して皮がむける、かゆみがでる、赤くなる、ニキビがでるというものがあります。
では、どうして乾燥やニキビなどの肌荒れが起こるのかということで、肌荒れの原因についてご説明します。
肌荒れの原因には何があるのか
肌荒れの原因には、紫外線、腸内環境の乱れ、皮膚刺激の多いスキンケア、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れ、などがあります。
紫外線
生きていく限り、紫外線に浴びないことはありません。紫外線が全て悪いということもありません。骨を丈夫にするためにも紫外線は大切なものです。
しかし、紫外線に当たることで、表皮にメラニン色素が増えます。
当たった直後でなくても将来的に大きなシミに繋がる可能性があります。
そのため、日頃から紫外線対策として、日焼け止めや、日傘や日よけカバーなどを使用すると将来のシミ予備軍を増やさないようにできます。
腸内環境の乱れ
あなたは、排便に悩まされることはありませんか。
便秘になると、外に腸内に残った有害なものが排出されないため、内部が汚染され腸内環境が乱れると言われています。
排便回数は人それぞれかと思います。
少量で一日の回数が多い場合や、週に3~4回だけどしっかりと量は出るなど。
大切なのは、お腹に違和感なく、すっきりと排便できているかのようです。
腸内環境を整えるには、偏った食生活がないか、適度な運動ができているか、水分をしっかりととれているかなど見直してみると良いかと思います。
皮膚刺激の多いスキンケア
現代は、様々な化粧品があります。
低刺激のものや、ピーリングなど少し肌に刺激が強くなるものなど。
また、日本人と外国人では、少し肌質が異なると言われています。
そのため、海外製の化粧品もありますが、もしかしたら刺激が強くなりすぎる場合もあります。
化粧品の選択も、刺激が強すぎると、肌の負担になるため成分など見直してみるのも良いかと思います。
化粧品だけではなく、洗顔ならゴシゴシと力を入れずに優しく洗う、化粧水やクリームをこすらずに優しく塗るなどの使い方も大切です。
生活習慣の乱れ
現代人は慌ただしく動いているイメージがあります。
心や体ともに余裕がないような。
精神的にストレスがかかることが肌のストレスへと繋がることもあります。
心がリラックスできるように、しっかりと食事をとり、休むときはしっかりと休むなど心と体にゆとりを持てるようになるといいですね。
ホルモンバランスの乱れ
女性には定期的に‘’生理‘’というものがきます。
この生理ですが、おそよ一か月の中で4つの生理周期に分かれ、その周期ごとにホルモンバランスが変化していきます。
このホルモンバランスの変化に合わせて、肌荒れが起きると言われています。
ここまでは、肌荒れとは何かを正常な肌状態から説明し、肌荒れの原因について記載しました。
肌荒れの原因はたくさんありましたね。
ここからは、肌荒れの原因に挙げられた‘’ホルモンバランスの乱れ‘’ということで、女性の生理中に関わるホルモンバランスと肌荒れについてご説明します。
生理中の肌荒れはなぜ起きるのか
生理中の肌荒については、2つのホルモンが深く関わっています。
2つのホルモンとは、脳からの指令により卵巣から分泌される、エストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモンとプロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンのことを指します。
2つのホルモンは、生理周期に合わせて変化していきます。
変化に合わせて、体調や精神面、肌状況などの心身に影響していきます。
ホルモンと肌荒れの関係性をお伝えするために、まず、2つのホルモンについて説明します。
エストロゲンとプロゲステロンについて
エストロゲン
エストロゲンは、女性の成長とともに分泌量が増えていきます。
将来、妊娠・出産するための女性らしい体作りや生殖器を発達させるために欠かせないものです。
また、代謝を上げ、肌に潤いやツヤを与えるなど女性をきれいにさせる働きもあります。
エストロゲンの分泌量は、毎月の生理周期に合わせて変動していき、20代で最大になると言われています。
そして、徐々に卵巣の機能も低下していき、50歳前後の更年期になり分泌量は減少していきます。
プロゲステロン
プロゲステロンは、生理周期の排卵期より分泌量が徐々に増えていき、妊娠するために欠かせないホルモンとなっています。
基礎体温を高温で維持し、受精卵が着床するために子宮内膜を厚く維持する働きがあります。
子宮内膜を厚くするために、水分を体内に蓄える作用もあります。
着床しなかった場合、プロゲステロンは減少していき、子宮内膜が‘’月経‘’として血液とともに体外にだされます。
プロゲステロンは、男性ホルモンに似ている部分があり、皮脂分泌を促します。
皮脂分泌が増加すると、毛穴が詰まりやすくなりニキビの原因にもなります。
この二つの女性ホルモンの分泌量が、生理周期に合わせて変化していきます。
この変化により、肌荒れに繋がっていくのです。
次は、生理周期により、ホルモンがどのように変化していくのかをお伝えしていきます。
生理周期に応じたホルモンの変化
次に、2つのホルモンが、生理周期でどのように変化していくのか、お伝えします。
人により日数は若干変わりますが、生理周期は以下の4つに分けられます。
月経期
1つ目は、月経期と呼ばれるものです。
月経期とは、先ほどお伝えした、着床しなかった場合に、子宮内膜が血液とともに、体外に出されたものです。
2つの女性ホルモンは、急激に減少します。
基礎体温は下がり、低温期に入ります。
そのため、血液循環が悪く冷えを感じやすいです。
また、多くの女性に、子宮内膜を体外に出すため子宮が収縮する時に感じる生理痛があります。
卵胞期に入る前なので、比較的肌の調子も良いと言われますが、肌は乾燥しがちです。
卵胞期
2つ目は、卵胞期と呼ばれるものです。
卵胞が成熟し、子宮内膜が厚くなります。
基礎体温は排卵まで、低温期のままです。
エストロゲンの分泌量が増加していくため、肌の調子は良いです。
精神面も副交感神経が優位となり明るく、穏やかな気持ちとなり安定します。
排卵期
3つ目は、排卵期と呼ばれるものです。
卵胞が十分に育ち、排卵を促すためにプロゲステロンの分泌量が増えていきます。
着床のために、体温は高温期に入ります。肌は皮脂分泌が増え、ニキビなどの肌荒れを起こしやすいです。
精神的にも気持ちの起伏が激しくなり、徐々に不安定になっていきます。
黄体期
4つ目は黄体期と呼ばれるものです。
次の月経まで高温期が続きますが、着床しなかった場合、エストロゲンとピークをむかえたプロゲステロンは減少していきます。
プロゲステロンは、体内に水分を蓄えるため、むくみやすくなります。
精神的にも、イライラし疲れやすいなど不安定な状態になりやすいです。
生理周期に合わせた、心身の変化は、女性が新しい生命をこの世に生み出すために、仕方のないものです。
しかし、先ほどお伝えした生理周期に合わせたホルモンバランスの変化について、理解できた今、何か対策はできるはずです。
女性にとって、鏡を見るたび、映る自分の肌が荒れているのは辛く悲しいものですよね。
「また、今月もニキビができた」「せっかくの大事なイベントに肌荒れ」と悲しい気持ちになります。
次に、生理周期に合わせた肌荒れ対策をお伝えしていきます。
生理周期に合わせた、肌荒れ対策について
月経期
月経期では、基礎体温も低く血液循環が悪いため、体は冷えやすいです。
ストレッチや温かいお風呂にゆっくりと浸かるなど、血行を良くするような工夫をされるといいと思います。
また、肌の水分量が減少し、乾燥しやすいため、いつもよりも保湿に重点を置くこともおススメです。
排卵期
卵胞期では、‘’美人ホルモン‘’とも呼ばれるエストロゲンがピークなため、肌に特に困ることはないかと思います。
しかし、肌状態が良い時こそ、いつもできない特別なスキンケアや、エステに行くなどをすることで、美肌への効果が上がります。
排卵期
排卵期では、プロゲステロンの増加とともに、徐々にお肌の状態も不安定になりがちです。
ニキビなどの肌荒れや、シミもできやすくなります。
紫外線対策や色素沈着を防ぐと言われているビタミンCが多く含まれる野菜や果物を積極的にとるなどの工夫が必要です。
また、スキンケアは、皮脂分泌が増えるため、油分が比較的少ないものを使うのがおススメです。
黄体期
黄体期では、肌荒れがピークを迎えます。
精神的にもイライラしたり不安になったり、不安定となりやすいですが、肌への負担を最小限にするために、休息をしっかりとったり、スキンケアも強い摩擦とならないように優しくするなどしてみてください。
体内の水分量が増えむくみはでやすいですが、肌の水分量は減少し乾燥します。
スキンケアはいつもよりもたっぷりと化粧水をつけてあげてください。
生理周期に合わせた肌荒れ対策について、ご説明しました。
内容として、特別なことをするというよりも、普段の生活の中で少し意識を変えるだけでできる内容かと思います。
しかし、生理周期は人により差がみられ、自分が今どの時期なのかわからないとなった場合、基礎体温をつけるのもおススメですよ。
薬局などで2000円程度で購入できます。
おおよその肌の変化がでやすいタイミングを知ることができます。
最後に
毎月定期的にくる生理の度に、肌荒れを起こし憂鬱な気持ちになっていたかもしれません。
しかし、憂鬱な負の気持ちもまた精神的なストレスとなり、肌荒れの原因にもなります。
ストレスを抱えずに笑顔でいられる工夫も大切なことかと思います。
今回は、女性の生理周期に合わせた肌荒れ対策についてご説明させていただきました。
「体温が高くなってきたから、そろそろ排卵期かな」
「ということは、これから少し肌が荒れてくる時期かな」
「あまり無理しないでゆっくりと過ごそう」など、
肌荒れが起きても少しでも気持ちに余裕が持てるようになってくれれば良いなと思います。